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英単語が覚えられない原因は?研究に基づく効率的な覚え方

「昨日覚えたはずなのに、もう思い出せない」
「単語帳を何周しても、忘れてしまう単語がある」。

英単語を勉強していると、こうしたことは珍しくありません。

では、普段はどんな方法で単語を覚えているでしょうか。

たとえば、こんな勉強をしていませんか。

  • 単語と日本語訳が載ったフラッシュカードや単語帳で覚えている
  • 覚えにくい単語は、ノートに何度も書いて覚えようとしている
  • 紙の単語帳を、1周、2周、3周と最初から最後まで繰り返している
  • 復習するときは、その日に決めた範囲やページをまとめて見直している
  • 単語帳に載っている例文と一緒に、その単語を覚えている
  • 英単語を見て日本語の意味が言えたら、「覚えた」と判断している

どれも、ごく普通の勉強法です。

それなのに、なぜ何度勉強しても忘れてしまうのでしょうか。

実は、この6つには、それぞれ学習を非効率にしてしまうポイントがあります。ただ、今の段階では、それが何なのか分からなくても構いません。

鍵になるのは、次の3つです。

  1. 01何を覚えるのか。
  2. 02いつ復習するのか。
  3. 03どうやって「覚えた」と確かめるのか。

この3つを研究から考えていくと、普段の勉強法のどこを変えればよいのかも見えてきます。

01

そもそも、「英単語を覚えた」とはどういうこと?

まず、次の単語を見てください。

abandon

この単語を「知っている」と言えるでしょうか。

では、次の問いにはどこまで答えられるでしょう。

abandon → 日本語では?

「断念する」 → 英語では?

The company decided to _____ the project.

The hikers had to abandon their plan because of the storm.

この文では、abandon はどんな意味?

さらに、

abandon を使って、自分で英文を一つ作れる?

すべて、同じ abandon についての問題です。

それでも、一つ目にはすぐ答えられるのに、二つ目では少し考える。空欄になると分からない。意味は分かるけれど、自分ではうまく使えない。

そんなことは十分にありえます。

つまり、「英単語を知っている」は、一つの状態ではありません。

たとえば abandon なら、

  • abandon を見て意味が分かる
  • 「断念する」から abandon を思い出せる
  • 文の中で意味を理解できる
  • 文の空欄に入る単語として答えられる
  • どのような場面で使われるか分かる
  • 別の文章に出てきても意味が分かる
  • 自分でも適切に使える

といったように、一つの単語についても、できることはいくつもあります。

繰り返すだけで、すべてが身につくわけではない

日本人の英語学習者121人を対象に、知らない単語に1回、3回、7回、10回と繰り返し触れたとき、どの程度知識が身につくかを調べた研究があります。

この研究では、「意味を覚えたか」だけではなく、綴り、意味、文法的な働きなど、複数の側面から単語についての知識を測っています。1

その結果、単語に触れる回数が増えるにつれて、さまざまな側面の知識が伸びていきました。

一方で、10回触れたとしても、すべての側面が十分に身につくとは限りませんでした。

ここから分かるのは、

英単語の学習は、一度「覚えたら完成」するものではない

ということです。

何度か学ぶ中で、

意味が分かる

あとから思い出せる

違う場面でも分かる

必要なときに使える

というように、その単語についてできることが少しずつ増えていきます。

しかも、その進み方はどの単語でも同じではありません。

意味はすぐ覚えたのに綴りが出てこない単語もあれば、文章の中なら分かるのに、単語だけを見ると思い出せないものもあります。何度も忘れてしまう単語もあれば、一度覚えただけで長く残る単語もあります。

だから、英単語の勉強では「何回やったか」だけを数えても十分ではありません。

今、その単語について何ができて、何がまだできないのか。

ここを見ることが大切です。

02

英単語を覚えるために必要な3つのこと

では、実際にどう勉強すればよいのでしょうか。

研究をもとに考えると、大きく3つのことが重要になります。

01

意味だけでなく、使われ方まで理解する

知らない単語に出会ったら、まず意味を確認します。

たとえば、

abandon放棄する、断念する

という形です。

ときどき、「英単語を日本語訳で覚えてはいけない」と言われることがあります。

しかし、単語と意味を直接結びつけて学ぶこと自体が悪いわけではありません。

実際、フラッシュカードや単語リストのように、単語とその意味を直接対応させる学習にも、大きな学習効果が確認されています。2

ただ、意味が分かったところで学習を終える必要はありません。

次の文を確認します。

The company decided to abandon the project.

その会社は、そのプロジェクトを断念することにした。

ここまで読むと、「abandon=放棄する」という日本語訳だけでなく、「計画やプロジェクトを断念するような場面で使われる」と分かります。

例文には、単語と訳だけでは分からない情報があります。

どんな場面で使われるのか。
どんな言葉と一緒に現れるのか。
その文章では、どの意味で使われているのか。

意味を理解するための手掛かりが豊富な文脈で学んだ方が、単語の意味を理解しやすくなることを示した研究もあります。3

つまり、最初に必要なのは、日本語訳を知るだけでなく、その単語が実際の文章でどう使われているかまで理解することです。

ただ、例文を見ながら「分かった」と感じることと、時間が経ったあとにも覚えていることは別です。

02

時間を空けて、思い出す

次に、答えを隠します。

abandon

すぐに答えを見るのではなく、一度、自分で意味を思い出してみます。

ワシントン大学の研究では、文章を繰り返し読んで勉強する場合と、学んだ内容をテストによって思い出す場合が比較されました。

短い時間を置いたテストでは、繰り返し読んだ方が有利な場合もありました。しかし、より長い時間を空けたテストでは、思い出す練習をした方が高い記憶の保持を示しました。4

単に何度も見るだけでなく、答えを見ずに、自分で思い出してみることが大切です。

そして、今日答えられたからといって、一週間後にも覚えているとは限りません。

そこで必要になるのが、時間を空けて、後日もう一度確かめることです。

これは spaced practice(分散学習) と呼ばれる考え方です。

言語学習に関する48の実験、3,411人、98の効果量をまとめた分析では、一度にまとめて学習するより、間隔を空けて学習することに全体として利点が見られました。特に時間を置いたあとのテストでは、より長い間隔を取った学習が有利になる傾向が確認されています。5

では、

1日後3日後7日後30日後

と決めておけばよいのでしょうか。

そこまで単純ではありません。

同じ研究では、等間隔で学ぶ方法と、徐々に間隔を広げていく方法のどちらかが、常に明確に優れているとは確認されていません。5

そもそも、覚えやすさは単語によって違います。

昨日覚えたのに今日もう忘れている単語もあれば、一度確認しただけで一週間後にも答えられる単語もあります。

そうであれば、次に復習する時期まで全単語で同じにする必要はありません。

忘れやすい単語は復習までの間隔を短くし、よく覚えている単語は間隔を長くする。

そのように、これまでの学習結果をもとに復習時期を調整する仕組みの一つが、FSRS(Free Spaced Repetition Scheduler) です。

FIG単語ごとに変わる、復習までの間隔FSRSのイメージ

忘れやすい単語は復習までの間隔を短くし

短い間隔で、早めに戻ってくる

よく覚えている単語は間隔を長くする

思い出せるほど、間隔は広がっていく

これまでの復習の結果に応じて、単語ごとに次の間隔が調整されていくイメージ。忘れる瞬間を正確に予測するものではありません。

Ankiにも採用されており、これまでの復習履歴や記憶の安定度などをもとに、次の復習タイミングを調整します。6

大事なのは、「1日後、3日後、7日後」という日程そのものではありません。

その単語をどれくらい覚えていられたかをもとに、次の復習時期を決めることです。

03

聞かれ方や文脈を変えて確かめる

時間を空けても、

abandon → 放棄する、断念する

と答えられるようになったとします。

では、

断念する

ならどうでしょうか。

さらに、

The company decided to _____ the project.

という問題ではどうでしょう。

あるいは、

The hikers had to abandon their plan because of the storm.

という別の文章でも、abandon の意味を理解できるでしょうか。

同じ単語でも、聞かれ方が変わると難しくなることがあります。

一つの単語について身につく知識には、意味だけでなく、綴りや使われ方など複数の側面があるからです。1

そのため、一つの聞かれ方に答えられただけでは、その単語を十分に覚えたとはまだ言えません。

学習が進んできたら、

  • 英単語を見て意味を答える
  • 意味を見て英単語を答える
  • 文の空欄に入る単語を考える
  • 別の文章の中でも意味を理解する
  • 必要なら、自分でその単語を使ってみる

というように、確かめ方を変えます。

異なる文脈で同じ単語に触れることについても研究があります。

単語を似た文脈だけで学んだ場合と、多様な文脈で学んだ場合を比較した研究では、学習時とは異なる文脈で意味を判断するとき、多様な文脈で学んだ方が意味を一般化しやすいという結果が得られています。7

一つの例文で意味が分かることは、大切な一歩です。

ただ、その先には、

別の文章でも分かる。
逆方向から聞かれても答えられる。
必要な場面で使える。

という別の到達点があります。

英単語を覚えるとは、こうした「できること」を少しずつ増やしていくことでもあります。

必要な勉強は、すべての単語で同じではない

ここまで、英単語を覚えるために3つのことを確認しました。

意味と使われ方を理解する。
時間を空けて思い出す。
聞かれ方や文脈を変えて確かめる。

ただ、この3つを、すべての単語に同じ量だけ行えばよいわけではありません。

意味も使い方も十分に分かっている単語なら、そこを何度も確認する必要はありません。

何度も忘れてしまう単語なら、次の復習まで長く空けない方がよいでしょう。

英語を見れば意味は分かるのに、日本語から英語が出てこないなら、違う方向から確かめる必要があります。

つまり、実際に必要な勉強は、その単語を今どこまで覚えているかによって変わります。

この視点で、冒頭に挙げた勉強法を改めて考えてみましょう。

03

最初の6つの勉強法、何が問題だったのか

単語と日本語訳が載ったフラッシュカードや単語帳で覚えている

それだけで学習を終えるのは不十分です。

単語と訳を対応させる学習には効果があります。

ただ、それだけでは、その単語がどのような場面で、どのように使われるのかまでは分かりません。

「abandon=断念する」を覚えることと、実際の文章の中で abandon を理解することは同じではありません。

覚えにくい単語を、ノートに何度も書いて覚えようとしている

その日に何度も繰り返すだけでは、長く覚えていられるかは分かりません。

書くこと自体が悪いわけではありません。

ただ、同じ日に10回書けることと、数日後に答えを見ずに思い出せることは別です。

回数を増やすだけでなく、時間を空けたあとにも覚えているかを確かめることが必要です。

紙の単語帳を、1周、2周、3周と最初から最後まで繰り返している

「何周したか」を復習の基準にするのは、効率的とは言えません。

一度ですぐ覚えた単語も、何度も忘れてしまう単語も、同じ一冊の中にあります。

それを毎回同じ順番で復習すれば、すでによく覚えている単語にも時間を使うことになります。

必要なのは「3周目に入ること」ではなく、それぞれの単語を、必要な時期にもう一度確認することです。

復習するときは、その日に決めた範囲やページをまとめて見直している

ページの都合と、記憶の都合は同じではありません。

今日の復習範囲を「31〜40ページ」と決めるのは簡単です。

でも、その10ページにある単語すべてを、今日復習する必要があるとは限りません。

昨日忘れた単語と、一週間たっても覚えている単語では、次に確認したい時期が違います。

復習の基準にしたいのはページ番号ではなく、それぞれの単語の学習状況です。

単語帳に載っている例文と一緒に、その単語を覚えている

例文と一緒に覚えること自体は良い方法です。でも、その例文だけで確認を終えるのは不十分です。

文脈は、単語の意味や使われ方を理解する助けになります。

ただ、見慣れた例文なら分かるのに、別の文章に出てくると分からないことがあります。

例文はゴールではありません。

その例文で理解した単語を、ほかの文脈でも理解できるようにするための出発点です。

英単語を見て日本語の意味が言えたら、「覚えた」と判断している

それだけで「覚えた」と判断するのは早すぎます。

英単語を見て日本語を答えられることは、語彙知識の一つです。

でも、

日本語から英単語を答えられるか

文の空欄でも答えられるか

別の文章でも意味が分かるか

必要な場面で自分でも使えるか

は、それぞれ別に確かめる必要があります。

6つに共通していた問題

6つに共通していたのは、その単語をどこまで覚えているかが、勉強の仕方に十分反映されていないことです。

単語帳に載っている順番で進む。
ページ単位で復習する。
何周したかで進み具合を測る。
決まったカードで覚えたかを確認する。

こうした方法では、教材の単位で学習を管理することになります。

でも実際には、

ある単語は、意味と使い方を確認すれば十分かもしれません。
別の単語は、何度も忘れるので早めの復習が必要かもしれません。
また別の単語は、意味は分かっていても、聞かれ方が変わると答えられないかもしれません。

必要な学習は同じではありません。

紙の単語帳でも、それに合わせて勉強することはできます。

ただ、復習時期を一語ずつ管理し、必要に応じて例文を探し、確認の仕方まで変えるとなると、単語数が増えるほど手間も大きくなります。

英単語の学習で難しいのは、効果的な方法を知ることだけではありません。
それを、覚えたい単語それぞれに合わせて続けることです。

ここまでを毎回自分で管理しなくてよいようにする。

それが、Komivo Vocabでできることです。

KOMIVO VOCAB04

Komivo Vocabでは、学習の管理までまとめて行う

Komivo Vocabでは、ここまで説明した3つを、実際の英単語学習の中で続けやすくしています。

SAVE

意味と使われ方を理解する。

REVIEW

必要なタイミングで復習する。

TEST

違う聞かれ方や文脈でも確かめる。

SAVE

調べた内容を、そのまま学習に残す

英語の記事や教材を読んでいて、知らない単語に出会ったとします。

Komivo Vocabでは、その単語だけでなく、実際に出会った英文と一緒に保存できます。

さらに、文全体の日本語訳も確認できます。

選んだ単語についても、辞書に並んだ訳をそのまま表示するだけではなく、その文の意味を踏まえて、そこでどのように訳すのが自然かを確認できます。

たとえば、

The company decided to abandon the project.

なら、文章全体の意味と、その中で abandon がどのような意味で使われているのかを一緒に理解できます。

これまでなら、

分からない単語に出会う

ChatGPTやDeepL、辞書などで意味を調べる

必要なら文全体も訳す

単語帳を開く

単語・意味・例文を登録する

と、いくつかのサービスや作業を行き来することもありました。

Komivoでは、意味や使われ方を確認したあと、その内容をそのまま学習する単語として登録できます。

例文が手元にない場合には、その単語を使った例文を作成して登録することもできます。

REVIEW

Reviewでは、次に復習する時期を自分で管理しない

登録した単語を、すべて同じ日に復習する必要はありません。

Komivo VocabのReviewではFSRSを使い、これまでの復習結果に応じて、次の復習間隔を調整します。

何度も忘れている単語なら、次の復習までの間隔を短くする。

安定して答えられている単語なら、次までの間隔を長くする。

つまり、

今日は31〜40ページをやる

単語帳をもう1周する

という教材基準ではなく、

今、復習した方がよい単語を確認する

という形になります。

どの単語をいつ復習するかを、自分で一つずつ管理する必要はありません。

覚えたかどうかも、一つの問題だけでは決めない

復習する時期だけでなく、確かめ方も一つではありません。

英単語を見れば日本語の意味を答えられても、逆方向では出てこないことがあります。文の中で問われると迷うこともあります。

Komivo Vocabでは、複数の形式で単語を確認します。

一つのパターンを繰り返して終えるのではなく、違う聞かれ方でも答えられるかを確かめながら学習を進めます。

TEST

Test Modeでは、違う文脈でも確かめる

さらにTest Modeでは、覚えた単語を別の条件でも確認します。

たとえば、

The company decided to abandon the project.

という文章で abandon を学んだとしても、その例文だけで確認を続けるわけではありません。

別の文章でも意味が分かるか。
和訳から英単語を書けるか。

覚えたときとは違う条件でも確かめます。

「このカードなら答えられる」から、「聞かれ方や文脈が変わっても分かる」へ。

少しずつ、「知っている」の範囲を広げていきます。

覚えた単語を、その先で使う

語彙を身につける先には、もちろん、自分でその単語を使うことがあります。

英文を書いたり、会話の中で使ったりできるようになるには、実際に英語を使う練習も必要です。

Komivoでは、Vocabで単語の意味や使われ方を理解し、時間が経っても思い出せる状態を作り、違う聞かれ方や文脈でも確認していきます。

そのうえで、実際に英文の中で使えるかを練習したい場合は、Writingで英作文に取り組むこともできます。

Vocabで覚えた語彙を、Writingで実際に使ってみる。そうすることで、

意味と使われ方を知る

忘れないように復習する

違う条件でも分かるか確かめる

実際の英語で使う

ところまで、段階を進めていくことができます。

「何周したか」ではなく、「この単語に今何が必要か」

最初に挙げた勉強法の問題は、紙を使うことでも、日本語訳を使うことでもありませんでした。

問題は、教材の順番やページ、周回数に合わせて学習すると、今の自分に必要な勉強とのずれが生まれやすいことです。

ある単語には、もう説明は必要ない。
別の単語は、そろそろ復習した方がよい。
また別の単語は、違う聞かれ方で確認した方がよい。

それぞれ違います。

だから、基準にしたいのは「単語帳を何周したか」ではありません。

この単語に、今何が必要か。

Komivo Vocabは、その判断と管理にかかる手間を減らしながら、英単語を学ぶためのツールです。

出会った英単語を、覚えるところまで。

参考文献

  1. Webb, S. The Effects of Repetition on Vocabulary Knowledge. Applied Linguistics.
  2. Webb, S., Yanagisawa, A., & Uchihara, T. How Effective Are Intentional Vocabulary-Learning Activities? A Meta-Analysis. The Modern Language Journal.
  3. Webb, S. The Effects of Context on Incidental Vocabulary Learning. Reading in a Foreign Language.
  4. Roediger, H. L., & Karpicke, J. D. Test-Enhanced Learning: Taking Memory Tests Improves Long-Term Retention. Psychological Science.
  5. Kim, S. K., & Webb, S. The Effects of Spaced Practice on Second Language Learning: A Meta-Analysis. Language Learning.
  6. Anki. FSRS (Deck Options). Anki Manual.
  7. Norman, R. E., et al. Contextual Diversity During Word Learning Through Reading Benefits Generalisation of Learned Meanings to New Contexts. Quarterly Journal of Experimental Psychology.
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